危険な懸垂(けんすい)

徒然
11 /06 2017
 今年の秋は気温差が大きい年だ。突然寒波が押し寄せて、前日との気温差がマイナス10℃にもなる日も珍しくない。
こんなに寒くなれば、ついつい熱燗が恋しくなる。だがしかし、いつの時代にも酒は魔物だ。

 先日、取引先に招かれて、社長とそこの若い担当者で席を囲んだ。
ビールで乾杯したが、美味しい料理が出されて、すぐに日本酒となった。

 若者は元気が良い。どれだけ飲めるのかと思うほど速くお銚子が空いてしまう。この調子ではこちらが参ってしまう。
段々と慎重になって、呑ませることに集中する。
相手が盃を口に運ぶタイミングに合わせて、注ぐ側がお銚子を持つのが極意だ。そうすれば、飲んで顔を戻すと目の前にお銚子があって、注がれざるを得なくなってしまう。
これは自分が30代の時に、お通夜の席で隣に居合わせた叔父さんから教えられたものだ。
みんなこうして先輩に飲まされて成長してきたのだ、などとひとり悦に入り、お陰で正体を失うことなくその場を切り抜けた。

 さて、ふらふら廊下から出ると、玄関前のくぐり戸に程よい高さの鴨井があった。その瞬間、もっとおもしろいことを思いついた。
「この鴨井で懸垂ができるか?」と聞いた。上機嫌になった若者はすぐに飛びついた。一回目、二回目、三回目は少し時間がかかった。「やったー」と声を上げた顔が更に紅潮していた。
 それから50メートルも歩いただろうか、背後からウェウェという唸り声が聞こえてきた。
一緒だった社長は「お前、歩道を汚すな。」と、もっと残酷なことを言い放っていた。
次の店で少し元気になったのを見計らって、「大丈夫か?」と聞いたら、平然とした表情で「懸垂のことも吐いたことも覚えていない。」といった。

危険だな!と思った。
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