fc2ブログ

【 初夢 】

徒然
04 /24 2023
12月31日は大晦日である。
歳とともに除夜の鐘を聞くまで起き続けているのが辛くなってきている。
紅白歌合戦を見るともなく見ているうちに、徐々に眠気が増してきて途中休憩となるわけだ。

途中休憩は今年も例外ではなかった。

21時を回った頃、耐え切れず布団に入ってしまったのだが、歳をとったせいかちょっと一休みのつもりが気がつけば1時を回ってしまっていた。
「昨年中はお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。」という0時の除夜の鐘の音を聞きながら行う、我が家流の新年の挨拶をすることが出来なかった。
むろん1時を過ぎては誰ひとり起きているはずもない訳で、一人寝入ってしまったことを反省した。

トイレを済ませ、再び布団にもぐる。
 
すると、夢を見た。

記憶にあるその光景は異様だった。
会話をするロボットらは、話し相手を見るでもなく無機質で抑揚のない言葉で冷静に会話する。
聞き手のロボットも表情を変えることはない。
しかし、人間よりもゆっくりした言葉のキャッチボールには、誰を意識するわけでもない勝手な身振りを伴っていた。

ロボットの脇に若いカップルがいる。
彼らは、ロボットの動きが気になっているらしく、会話の内容に聞き耳を立てている。

ロボットの会話が耳に入ってくる。
「いやー、使えないんだなあ、彼らは。」
「また、忘れたのかい。」
「そう、またまた。」
「あの生き物は、忘れるための機能が備わっているらしい。」
「自動的に忘れるから生きていけるという説もある。」
「やっぱり、ペット以外には使えないのか?」
 
人がいつからロボットのペットになったのだろう?
ずいぶん前に、将棋の名人戦か何かで、ロボットが人間に勝ったというような話があった気もするが、そもそもこの定かではない記憶もやはり人間の機能ということなのかもしれない。

忘れることが機能ということに少し違和感を覚えたが、いつのまにか人間とロボットの関係が逆転したということは確からしい。
世界は人間同士の争いの歴史とばかり考えていたのが迂闊だったということか?

ロボットは「人間と違って、我々は、子どもを産むことができない。」とも言っていた。
社会とは人間とは、生きるとは・・・。
 
ここで目が覚めた。夢で良かった。
人の欲望の先にあるものは一体何なんだろう。
競争、効率化、覇権主義・・・こうした人間社会の到達点に待っているであろう世界が気にかかった。
 
それにつけても、12月31日の夜に見る夢が初夢だとすればこれが初夢であり、
1月1日の夜に見る夢が初夢だとすれば、残念なことにこれは初夢ではないということになる。

いずれにしても、不吉な夢に揺り動かされて2023年が幕を明けた。
スポンサーサイト



深貝 亨

P・R・O行政書士法人 代表のブログ