暮れの焼肉屋にて

徒然
02 /01 2016
暮れも押し迫った12月23日、東京暮らしの息子二人と久々に食事となった。
六本木の少し高級な焼肉店に入ったのだが、すぐに下の息子がトイレに立った。
やや時間がかかっているなと思ったら、トイレで高額紙幣が入った財布を見つけたので遅くなったという。
聞くと、少なくとも百万位はあったけど「店長に渡したから大丈夫」と聞いて、二人の箸が止まった。「それって大丈夫なの」と上の息子が問いただす、自分も釈然としない。中身は数えたのか、そんな多額なら警察に届けたほうが確実でないかとも考えた。
 40~50分して30代のやせ形の男がテーブルに近づいてきて「やーどうも」と言って帰って行った。
何?今の。やーどうもはないだろうと店長を呼んだが、埒があかない。
息子のノー天気とお人好しも問題だが、誠意が見られない落とし主と相応の対応が出来ない店長も問題である。
 
ところで、平成19年12月10日、改正遺失物法が施行されたのをご存じだろうか?
駅、商店、ホテル、飲食店、オフィスビル等の施設において拾得物の届出を受けた施設管理者は、求めに応じて預り書を交付しなければならないことや施設において拾得した際にも5~20%の報労金を要求できる(拾得者と施設管理者が折半)と改正された。又、全ての拾得物の保管期間が6カ月から3カ月に短縮された。
大量の拾得物に翻弄される現場の改善が第一と考えられるが、これまで施設任せになっていた領域に踏み込んだことは評価に値する。

店長は知らなかったようだが、相当の対応とは、預り書を交付することと、報労金を要求できますと告げれば充分だ。そうすれば、先ほどの件も納得がいく。さすが日本の行政は至れり尽くせりである。
一方で、こうした法律ができると、いくら司法といえども行政にブレーキを掛けることは容易ではなく、司法の出番が少なくなることには注意が必要だ。国民サービスとしてはありがたいが、訴訟が優先する国において、制裁金や課徴金を活用して未然に犯罪や事故を防止する仕組みと比べると行政コストは格段に高くつく。今回の改正においても施設管理者は様々な書類の提出と報告が要求され、これらを点検する側も人件費が増える。

更には、危機意識を持たないノー天気でお人好しな国民を増やすことも問題である。
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